ここいらへんのお祭り経済効果 戻る
○はじめに
ここいらへんのお祭りは、現在曳き物(屋台)を中心としたものになっています。
その総数は遠州一帯だけでも1千台を超える数量です。ここでは普段あまり気にしない
お祭りの経済効果を考えてみます。 (更新日 平成21年9月10日)
○人口と屋台の数
平成の合併前において、各市町村の人口(当時の概数)と屋台の数量を出した
ものです。なお屋台小屋が確認されていない地区の台数は抜いてありますので
実数とは異なることもあることを御理解下さい。
エリアは大井川から天竜川の南遠です。(微妙に捉えて下さいませ)
旧行政区 | 人口 | 屋台総数 (子供・花屋台除く) |
面積(ku) | 人口比 (台数/百人) |
面積比 (台数/一ku) |
磐田市 | 91,000 | 122台 | 64.27 | 0.134 |
1.898 |
掛川市 | 86,000 | 162台 | 185.79 | 0.188 | 0.872 |
袋井市 | 65,000 | 105台 | 80.10 | 0.162 | 1.311 |
菊川町 | 33,000 | 68台 | 63.88 | 0.206 | 1.065 |
豊田町 | 30,000 | 37台 | 19.82 | 0.123 | 1.867 |
吉田町 | 29,000 | 9台 | 20.84 | 0.031 | 0.464 |
相良町 | 26,000 | 27台 | 58.14 | 0.104 | 0.464 |
榛原町 | 25,000 | 27台 | 53.36 | 0.108 | 0.506 |
浜岡町 | 25,000 | 24台 | 53.57 | 0.096 |
0.448 |
大東町 | 21,000 | 37台 | 46.13 | 0.176 | 0.802 |
金谷町 | 21,000 | 6台 | 64.36 | 0.029 | 0.093 |
森 町 | 20,000 | 57台 | 133.84 | 0.285 | 0.426 |
浅羽町 | 20,000 | 32台 | 28.46 | 0.160 | 1.124 |
福田町 | 20,000 | 35台 | 16.59 | 0.175 | 2.110 |
竜洋町 | 20,000 | 30台 | 23.62 | 0.150 | 1.270 |
小笠町 | 14,000 | 34台 | 30.36 | 0.243 | 1.120 |
大須賀町 | 12,000 | 31台 | 33.71 | 0.258 | 0.920 |
豊岡村 | 12,000 | 24台 | 39.78 | 0.200 | 0.603 |
御前崎町 | 11,500 | 12台 | 12.21 | 0.104 | 0.983 |
1,028.83
○計算
ではこれらの数値をまとめてみましょう。
上記19市町村の人口は581,500人(概算)、屋台の総数は879台となり
屋台1台あたりの平均人数 約662人
となります。あくまで「計算上」ですが、約660人に1台の屋台が存在することに
なります。
更に世帯あたり、を考えてみます。2000年における日本の一世帯あたりの人数は
2.67人となっていますが、ここいらへんはもう少し多いと考えられますので一世帯
あたり3.3人程度で考えてみます。すると、
屋台1台あたりの平均世帯数 約201世帯
となりました。約200世帯に1台ということになります。こう書くと「たいしたことない」と
思われるかもしれませんが、
@合併前の旧浜松市(58万2千人)とほぼ同人口で 879台
A合併前の旧静岡市(1,146平方キロ)よりやや小さい面積で 879台
と書くと・・・、逆にわかりにくいですね・・・
全国的に「○○の祭り」「△△祭」とか言われるほど有名ではないのでしょうが、おそらくは
全国屈指の屋台密集地であると思われます。
○お祭りの経済効果
私個人が知る限り、1台の屋台を運行するのにかける費用は30〜200万円の間に
あります。参加する人数が多ければ多いほど額面は上がると思いますが、全自治会から
聞くこともできませんので、下記の数値で仮定してみます。
仮定値 一世帯 ¥5,000/年 200世帯で ¥1,000,000
上記の計算で1台の屋台を運行する祭典費を100万円とします。御祝儀などは計算が
できませんから省きますので、この100万円は安いかもしれませんが一応この値で考えて
みます。19市町村の屋台総数は879台ですので、
祭典費総額 879台 × 100万円 = 8億7,900万円
すごいですね。毎年19市町村で9億円近い額のお金が「祭典費」として使われている計算に
なります。
次に屋台の更新と屋台小屋の更新を考えてみます。屋台は「平成の大新調ブーム」が
去っていますが、新聞記事などから察すると上記19市町で3台か4台が新調される程度
だと思います。よってこれも仮の数値ですが「250台に1台が更新」されるとします。
屋台小屋はもう少し多く「150台に1棟」で考えてみましょう。
屋台の値段は型式やサイズによって大きく変わりますが、ざっと見立てで「屋台1台
3,000万円」「屋台小屋250万円」で計算してみます。
屋台 3.5台 × 3,000万円 = 1億0,500万円
屋台小屋 5.9棟 ×
250万円 = 1,475万円
そして個人の出費。法被、肉襦袢、雪駄等の衣服は、そのグレードにより差異があります。
特に法被は藍染めと印刷では倍以上の差がありますので計算が難しいのですが、中間を取って
「2万円」と仮定します。これにその他の衣服を入れて「3.5万円」が衣装代になります。
ただ法被は一度購入すると暫く買い換えませんので、更新する人が屋台1台あたりに2〜3人
程度と考えると1,758人〜2,637人、真ん中を取って「2,200人」としてみます。
衣装費 2,200人 × 3.5万円 = 7,700万円
個人の出費は飲食などのお小遣いも入ります。ジュース、お酒、おもちゃなどなど。屋台1台に
つく人の数を平均して100人と仮定しましょう。半数の50人がジュース1本、出店でお好み焼きを
購入して1日620円程度。これを土・日として1,240円。つまり「屋台1台で6.2万円」
としてみます。
飲食費 879台 × 6.2万円 = 5,626万円
以上をまとめますと
祭 典 費 8億7,900万円
屋台更新費 1億0,500万円
小屋更新費 1,475万円
衣 装 費 7,700万円
飲 食 費 5,626万円
総 計
11億3,201万円/年間
毎年南遠(中東遠)地区だけでも「約11億円」のお金がお祭りに費やされているということになります。
さらに関連グッズ、写真、ビデオ、交通費、交際費など波及効果はかなりの額になると思われます。
たかがお祭り、されどお祭り、ですねぇ。
※都度書いてありますが、数値や金額はいずれも推定で確実なものではありません。